
サロン開業までの年間スケジュールと準備内容
独立しサロンを開業することを決定しても、すぐに自分のお店を持つことはできません。まずは事業計画やコンセプトを練り、スタッフの採用や備品の購入をし、オープン日の告知をしっかりとした上でオープンを迎える必要があるのです。どの段階にどれくらいの準備期間が必要なのか、詳しく見ていきましょう。
1サロン開業までの年間スケジュール
サロン開業までの1年間は特に準備で忙しくなっていきます。開業までにしておく準備にはどのような事があるのでしょうか。開業日までの工程を時系列にしてご説明します。案外、1年はすぐに過ぎてしまうので、事前に年間スケジュールをイメージしておくと良いですよ。
- コンセプト決定と事業計画の作成(1年前)
- 物件探し(1年から半年前)
- 開業資金の調達と物件の契約(5か月前)
- スタッフの採用(4か月前)
- 内装工事(3か月前)
- 最終確認作業!(1か月前)
サロン開業日の1か月前には、最終確認を怠らないようにしましょう。運営していく上で必要な備品のチェックや契約関係の確認などを入念に行います。
2コンセプト決定・事業計画

サロンをオープンしたいと考える1年ほど前から、サロンのコンセプトと事業計画を考えましょう。たくさんのライバル店を見て、より具体的に決定していくことが大切!
開業までの目標だけでなく、開業後にどれくらいの売り上げを目指すのか、何年後に何店舗まで増やしていきたいのかなどの将来展望も考えておくと良いですね。
決めるべきコンセプト
- ターゲットとするお客様の層
- どこのエリアに出店するか
- 他のサロンとの違い、強み
- 提供するメニュー
- 営業時間
- サロンの内装、外装の雰囲気
決めるべき事業計画
- 企業理念
- 売り上げ目標
- 来店客数の目標
- 利益率の目標
- 今後の店舗展開について
- スタッフの採用について
関連記事:魅力的なサロンコンセプトの決定方法
3物件探し

次に、サロンをオープンするために最も重要な「物件探し」の流れとポイントをご紹介!
住むにはぴったりのお洒落な物件だったとしても、サロンを開業するとなるとどうでしょうか?サロンに適した物件には、いくつか条件がありますよ!
- コンセプトを元に、開業したいエリアを歩いてみる
- 希望の駅が見つかったら、不動産屋に相談
- 物件を決定
- 物件の申し込み
- 融資の申請をして、通ったら物件契約をする
物件選びのポイント
- 水道設備がしっかりしているか
- ガス容量が足りるか
- 換気設備が整っているか
- 天井の高さ・広さは十分か
- 駅からの距離がどれくらいか
- どんなアクセス方法があるのか
- 他のフロアにどんなテナントが入っているか
- 入り口は分かりやすいか
- 築年数はどれくらいか
- 貸し出される前は何のテナントが入っていたのか
物件を決定するまでには、必ず何度かそのエリアに行って周辺を歩いてみましょう。実際に歩いてみると発見できることもたくさん。ライバル店は周りにどれくらいあるのか、駅からのアクセスが良好どうか、などの点は売り上げに大きく関係してきますよ。
関連記事:物件探しの方法
4資金の調達・物件の契約

理想の物件が決まっても、すぐに契約をしてはいけません!今手元にある資金だけでも間に合うか?融資をしてもらう必要があるか?
一度立ち止まって、必要な資金の見直しをしましょう。
- 美容室開業の場合:1000万円程度
- エステサロン開業の場合:200~300万円程度
- ネイルサロン開業の場合:200万円程度
※いずれも、テナントサロンの場合
つまり、まずは200万円以上の貯金が必要になります!
貯金だけで足りない分は、信用金庫・銀行・日本政策金融金庫などから融資をしてもらいましょう。
天井を抜いて高くする、シャンプー台を取り付けるなどの必要があるため、美容室はどうしてもエステサロンやネイルサロンよりも初期費用が高くなります。内装以外にも、備品の調達やインテリアの購入なども含め、少なくても上記の金額は用意しておく必要があるでしょう。
関連記事:サロン開業で融資を受ける方法とは?
5スタッフの採用

忘れてはいけないのが、一緒に働いていくスタッフの採用活動です!せっかくサロンをオープンしても、スタッフ不足で営業がまわらない・・・ということがあってはもったいないですよね!
一言で採用といっても様々な方法があるので、まずはどんな方法で進めていくかを決定しましょう。
スタッフの採用方法
- WEB上に求人広告を掲載する
- 冊子媒体に求人広告を掲載する
- 知り合いの紹介を受ける
- 専門学校にチラシを置いてもらう
- ハローワーク(公共職業安定所)に聞いてみる
いずれの方法にしても、数週間で希望のスタッフを採用できるということはほとんどありません。短くても3か月程度は余裕を見て、なるべく早めに求人をかけるようにしましょう。オープニングスタッフの求人は人気が高いので、物件が決まった時点で求人原稿も一緒に掲載をしてしまうと良いですね。
6内装工事

物件が決まったら、いよいよ内装工事に着手開始!理想のサロンを作り上げるために、パートナーとなる設計会社や施工会社と相談をしながら進めていきます。
必ずしも理想の内装=サロンに適した内装、とは限らないので、設計のプロの話を聞いて柔軟に取り入れていくことが大切に。
- 設計会社と工事会社を選定し、内装工事請負契約を締結
- 設計担当者と打ち合わせをし、内装のデザインを決定
- 平面図や展開図を出してもらう
- 図面を持参して、保健所に美容所登録に行く
- 保健所からの許可が出たら着工(美容師免許を必要とするメニューがある場合のみ)
- 完了後、担当者に立ち会ってもらい完了検査を行う
30坪程度の広さで、大体3週間程度の工事期間がかかると考えておきましょう。特に美容室の場合は、天井の解体やシャンプー台の取り付けなどがあるため1か月程度を要することも度々あります。
工事費用の支払いはいつ?
A:一部分のリフォームの場合は、契約時と引き渡し時の2回払い・大規模な内装工事の場合は、契約時と工事中間時と引き渡し時の3回払いになる場合がほとんど。
設計会社と工事会社は分けるべき?
A:こだわりの内装があるならば分けてもOK!ただ、基本的には同じにした方が費用は安く抑えられる場合が多い。
関連記事:内装工事にかかる時間と費用は?
7開業までの最終準備

オープンまであと少し!オープンする日が決まったら、しっかり営業を開始することができるように最終準備をしていきましょう。
まず必要なのは、ガスや水道がオープン日までにしっかりと使用できるようになるかどうかの確認。満席になった場合でも足りる量の契約かどうかまで確認をしておきましょう。
Check
- オープン日を周囲の方に告知
(チラシをポスティング、SNSへ投稿、ポスターを貼る) - 備品の準備
- 水道、ガス、電気などの契約確認
- サロンで使用する商材、備品の購入
- オープン特典チケット等の作成
オープニング特典として、来店して下さったお客様に配る優待チケットなども作成しておくとリピーターにつながりやすくなります。
美容室の場合
- ドライヤー
- アイロン/コテ
- ワゴン
- ドリンク提供用のグラスやコースター
- お客様用の雑誌やヘアカタログ
- ピンやコーム類
- はけなどヘアカラー用具一式
- ゴム手袋
- パーマ液やカラー剤などの薬剤
- タオル
- カラーチャート
- イヤーキャップ
- フェイスガーゼ
- クロスとケープ
- ブランケット
- 清掃用具(ほうきやちりとり、掃除機など)
- タイマー
- 仕上がり確認用の手持ちミラー
- ヘアセット用のスプレーやワックス
- ピアスやネックレスを入れるケース
関連記事:美容室で揃えておくべき備品
マツエクサロンの場合
- 枕とベッド
- タオルケット
- スツール/施術斜用のいす
- ライト
- ワゴン
- ドリンク提供用のグラスやコースター
- 待合スペースに置く雑誌
- 荷物を入れる用のかご
- 収納棚
- パウダールームのメイク直し用具
- 装着用のエクステ本体
- エクステ装着用用具一式
- 仕上がり確認用の手持ちミラー
- 清掃用具
関連記事:マツエクサロンで揃えておくべき備品
ネイルサロンの場合
- サンプルチップを飾るディスプレイ
- カラーチャート
- ネイルマット
- ドリンク提供用のグラスやコースター
- テレビ
- ジェル硬化用のライト
- ジェルオフ用のマシン
- アルミホイル
- ネイル用具一式
- タイマー
- お客様用のアームレスト
- 卓上ライト
- 荷物を入れる用のかご
- 清掃用具
関連記事:ネイルサロンで揃えておくべき備品
エステサロンの場合
- バスタオルやフェイシャルタオル
- ベッドとシーツ
- タオルケット
- お客様用のローブやガウン
- 紙ショーツなどの使い捨て下着
- エステ機器
- 姿見
- 使い捨てスリッパ
- 清掃用具
- ドリンク提供用のグラスやコースター
- パウダールームのメイク直し用具
関連記事:エステサロンで揃えておくべき備品