
自宅サロンの開業を成功させる6つのポイント
自宅サロンとは、自宅の一室を利用してサロン開業をする方法。新たに賃貸マンションを借りたり、商業施設内に間借りしたりして開業するよりも毎月の家賃を節約できるので、初期費用を抑えたい人や、インテリアの装飾を自由に行いたい人におすすめです。自宅サロンの開業を成功させるには、どんな事をしていけば良いのでしょうか。自宅サロンならではの利点なども交えて紹介します。
1自宅サロンに適した物件を選ぶ
自宅の一室を施術ルームにして施術や接客を行うサロンを自宅サロンと言いますが、自宅であればどこでも開業出来るというわけではありません。居住していなくても、自宅とは別に賃貸マンションを借りて、そこで開業したサロンも「自宅サロン」と称している事もあります。
では、一体どのような物件が「自宅サロン」として適しているのでしょうか。自分の持ち家であれば問題ないのですが、一般的な賃貸マンション(分譲賃貸も同様)では自宅サロンを開業できません。なぜなら、賃貸マンションを契約する時に「居住用」として契約するからです。住む事を目的として契約するため、営業目的の自宅サロンを開業すれば賃貸借契約違反となってしまいます。
- 持ち家の一軒家
- 営業目的で借りられる賃貸マンション
- 住所を営業所として登記可能な物件
- ホームページやチラシに住所掲載可能な物件
- 看板掲示が可能な物件
このように、自宅サロンを開業するにあたり物件選びには気を付けなければなりません。また、営業目的で借りられるマンションで運営していくのであれば、他の住民への配慮も忘れずにしておきましょう。
2自宅サロンの雰囲気や周囲との関係性を大切にする
自宅サロンを運営していく上で事業を成功させるにはどのような事に気を付けるべきなのでしょうか。施術の技術や接客スキルを上げていく事以外に自宅サロンだからこそ必要な事があるのです。サロンの雰囲気作りやその土地での近所付き合いなど、自宅サロンを成功させるには技術だけではないのですね。
自宅サロンは生活感がでやすくアットホームな雰囲気となり、それが良い!と考える人もいますが、お客様は日々のストレスから解放され癒しを求めてやって来ます。癒しの空間を演出するには非日常的な空間を提供しているサロンが多く、自宅サロンの場合、特にこの点には気を付けなくてはならないのです。
日頃から、自宅を清潔に保ち安らげる香りにしておく必要があります。小さなお子様がいるおうちでは、お客様自身、子どもを連れて行きやすいというメリットもありますが、騒がしい空間を嫌がる人もいるでしょう。照明やBGM、香りなどとことんこだわり癒し空間を作ってお客様をお迎えしましょう。
POINT
・アロマオイルなどで、やすらげる香りをさせる
・照明などにこだわり異空間をつくる
・ヒーリングミュージックを流し癒し空間を演出
・自宅の居住スペースとはきちんと区切る
賃貸マンションを使って自宅サロンを開業する場合は、特にご近所さんとのコミュニケーションが大事になってきます。
同じ建物に住んでいる住民は、見た事のない人がたくさん出入りしていれば不安な気持ちになってしまいます。そんな中、サロンのオーナーとも面識がないとなれば少しの事で苦情となってしまうでしょう。多少なりとも音を発する施術や、周りの住民に迷惑がかかってしまう恐れがあるのであれば、挨拶や事業の説明をしておくと良いでしょう。
3自宅サロンを運営するコツがある
自宅サロンを開業すると初期費用や毎月の家賃などの経費も抑えられて良い事が沢山あります。ですが、良い事ばかりではなく自宅でサロンを開業する上で心得ておかなければならないこともあります。サロンを成功させるためにも、しっかりと自分でルールを決めて運営していけば、きっとお客様に喜ばれる人気のサロンになりますよ。
自宅サロンなので通勤の手間がなく時間もルーズになりがちです。家族の用事を済ませてから仕事なんてこともあるでしょう。ですが、営業時間を定めずにサロンを運営していくことでお客様自身も「いつでもいっかー」という気持ちになり、予約を先延ばしてサロンへいく事の優先度が低くなっていくでしょう。
また、リピーターもなかなかできにくく固定のお客様が増えずに売り上げ目標も立てられなくなってしまいます。しっかり営業時間を定めることで、お客様に「予約をしなきゃ!」という気持ちにさせ、結果としてリピーターも多くなっていくのです。
「自宅だけど、職場でもある」といった強い気持ちを持って運営していきましょう。
まずは周辺のサロンの価格調査をして、メニューも価格も差別化をはかりましょう。お客様のターゲットに合わせて価格を設定します。チェーン店とは異なり、「プライベートな空間で上質な施術を受けられる、だからちょっと高いよ」というコンセプトにした方が良いのです。
「技術が今より上がってきたら、価格設定を上げて行こう」と思っていても、開業してから価格を上げていく事は案外難しいもの。お客様は信用をお金で買うものなので、きちんとサロン周辺の市場調査をした上で高めの価格設定をしておきましょう。「ここのサロンの施術は○○円だよ」と言われれば、その値段相応に見えてくるのではないでしょうか。あとは、お客様と真摯に向き合い丁寧なサービスを続けて行く事で、信用を得られるようになるでしょう。
メリットの多い自宅サロンですが、集客には少し時間を要する事を理解しておきましょう。気軽にネット予約が出来て、安価に通えるチェーン店よりはリピーターを定着させるのに時間がかかり、予約サイトと契約してサロンを周知してもらうのには、宣伝費がかなり負担になってきます。
初めから費用の蓄えがたくさんあれば良いのですが、売り上げ見込みがない開業したての時期は地道にお客様を増やしていくしかないのです。サロンのコンセプトをしっかり定めて、サロンの良さを分かってもらえればファンも増えていきますよ。軌道に乗るまでは、まずは辛抱!です。
4メリットを活かして自宅サロンを作り上げる
自宅サロンを開業すると、毎月の費用削減や自由な空間作りが出来るなどメリットがたくさんあります。自宅でのサロン開業を選択したのならば、数多くのメリットを活かして自分だけのサロン作りをしていきたいところですね。主にどんなメリットがあるのかを見て行きましょう。
初期費用の削減
商業施設内にテナントを借りれば開業までに内装工事が必要になります。テナントの場合、コンクリート打ちっぱなしの空間で壁紙も貼っていない状態なので、その分、時間も費用もそれなりにかかります。ですが、自宅の一室を利用する自宅サロンであれば必要最低限の内装工事で済むので、初期費用が抑えられるのです。
家賃などの経費削減
あたりまえの事ですが、新たに物件を借りて開業すれば毎月家賃の支払いは発生します。ですが、自宅の一室を使用するのであれば余計な家賃はかかりません。開業したばかりのサロンは特に売り上げが安定していないので、毎月の家賃などの経費削減が経営を助ける事となるのです。
自由に空間作りができる
もう一つ、メリットをあげるとするならばインテリアやサロンの空間作りでしょう。賃貸物件やテナントであれば、空間作りにできる事が限られてしまいます。賃貸契約に反する事をしてしまえば、工事費の支払いはもちろん退去せざるを得なくなるでしょう。その点、自分の持ち家や営業目的で利用できる物件で開業すれば、サロンの雰囲気作りも自由にできるのです。
関連記事:自宅サロン開業の6つのメリット
5インテリアにこだわって非日常的な空間を提供
自宅サロンだからこそ自由にアレンジができるので、施術ルームを可愛くしてみるのも良いでしょう!「可愛いインテリアを集めて、お部屋をデザインするのが苦手」というオーナーもいると思いますが、そんな時は一緒に働くスタッフに意見を求めてサロンを作り上げるのも一つの手です。自宅サロンでは、このようなインテリアにこだわってみると非日常的な空間を作り出せるのではないでしょうか。
- 高級感溢れるカーテンやレースカーテン取り付ける
- 一部の壁だけ女の子らしい色を塗る(パステルやアースカラーなどが◎)
- フカフカのソファーを置く
- リラックス効果を促せる観葉植物を置く
- ソファーやベッドの足元にムートンラグを置く
- 照明はシャンデリアなどを取り付ける
- メイクブース(ドレッサー)を作る
- アロマディフューザーを置く
- ドライフラワーやインテリア小物を飾る
インテリアをこだわる事で多少費用はかかりますが、自分で壁を塗ったり照明を取り付けたりする事で節約も可能です。お客様にとって癒しの空間を演出できれば、何度も足を運んでくれるようになるかもしれません。自宅サロンの空間作りを楽しんでみて下さい。
関連記事:DIYで節約にチャレンジ
6開業に必要な手続きは忘れずに行う
自宅サロンの開業に必要な手続きは、基本的にどこで開業しようとも同様に行なっていく必要があります。サロンを開業する以上立派な個人事業主となります。サロンを開業し1年分の収入について確定申告をするための「開業届」や、美容室や理容室、マツエクサロンの開業に必要な「美容所登録」など、開業までに済ませておくと良いでしょう。やるべき事をきちんと行えるサロンは、お客様からの信頼も得られるでしょう。
- 税務署へ「開業届」を提出
- 地域を管轄している保健所へ「美容所登録」を済ませる(美容室・理容室・マツエクサロンの開業のみ)
開業届は、個人事業主としてお金を貰う仕事を始めたら「1ヶ月以内」に税務署に提出が必要です。また、美容所登録が必要な業種で開業する場合には、出店地域を管轄している保健所に登録し「立ち合い検査」を行う事となります。手続きは、スケジュールにゆとりを持っておこなう事をおすすめします。
関連記事:美容所登録に必要なものと登録までの流れ