
市場調査とターゲット設定が肝心!最適な場所にサロンを開業
サロン開業を成功させるには、どこで商売をしていくのかをしっかり決めていかなければなりません。自分の想い描くサロンを長く運営していく為にも、その土地の市場調査が最も大切となり、後で後悔をしないようにしておきます。「どんなお客様にビスを行っていくのか」という“ターゲット設定”をしておく事も、同時に進めておくと良いでしょう。
1市場調査の目的
市場調査の目的は、サロンを開業するにあたり的確な場所でオープンさせるためにあります。自分が考えているサロンのコンセプトにそぐわない場所にオープンしてしまえばサロンの運営自体が難しくなってしまいます。
例えば…
若者向けのカラーやスタイルを提供するはずだったのに、高齢者やファミリー層が多い住宅街に出店してしまった
最新の商材を使って差別化を図りたいのに、既に同じようなコンセプトのサロンが近隣に多くある など…
このように、出店するエリアを間違えてしまうとサロンコンセプト自体を変えなければならなくなり、サロンの武器となるものが通用しなくなってしまいます。そうならない為にも、市場調査をしっかり行う必要があるのです。
2サロンの立地に関する市場調査
「サロンをどこにオープンさせるか」は、開業するにあたり沢山悩む部分でもあります。サロンの立地を決めていくには、どのような市場調査を行うべきなのでしょうか。いくつも調査を重ねてサロンオープンに備えておきましょう。
市場調査の項目
- 人口分布(男女計、男女別)
- 平均年齢と人口分布(男女別)
- 年齢別人口構成
- 昼間人口分布(男女別)
- 世帯数、特性
- 商圏内駅乗降客数
- 車の交通量、歩行者数
- ライバル店の特性
単純に人が多ければ来客数は増えるのですが、オープンするサロンのコンセプトによって客層は異なるので、この街にはどんな人がどのくらい行き交うのか、または住んでいるのかを調査しておく必要があります。男女別の人口分布や年齢別、世帯数や特徴を細かく調べておきましょう。
車の交通量や歩行者がどの位いるのかを、平日、土日、昼夜にわけて観測してみると良いでしょう。サロンオープンを考えているエリアがオフィス街ならば、平日は人口が増え休日は閑散とします。平日の仕事帰りに来店する人が多いと言うのも頭に入れておくと良いでしょう。また、住宅街であれば主婦ママ層が多く平日の昼間に予約が集中する事も考えられます。小さなお子さんを抱えているお客様のために、キッズスペースを用意するなどの工夫をすると他店との差別化を図れるでしょう。
人の数が多ければ多いほど、同業のサロンも多いはず。交通の便がよく、流行の最先端を行くような場所は美容サロンの宝庫とも言えるでしょう。美容室が見渡しただけでも、何店舗も見つかるというのも珍しくありません。そんな同業サロンに打ち勝っていく為には、どんなコンセプトで行っているのかや使っている商材、オリジナル技術などを知っておく必要があります。同エリアであれば客層が同じである可能性は十分に高いので、他のサロンにはない何かを見出していかなければなりません。
3マーケティング活動と市場調査
マーケティング推進のために、開業する際には市場や顧客の意向や動向を探り、サービスや価格設定、売上予測を行わなければなりません。「マーケティングリサーチ」という言葉もよく使われており、その中でも2種類に分けられています。
- 市場調査
- 企画や開発など商品が完成するまでに、商品をより良くするための調査
- マーケティングリサーチ
- 広告やプロモーションにて、商品をより多く、高く販売するための調査
市場調査を行うことで、「事前に成功失敗のシミュレーションができる」「自分たちでは予想していなかった事を知る事ができる」などのメリットがあり、事前にこれらを知る事で損失をなくし軌道修正を可能にする大切な作業なのです。
現在は、誰でも必要な物をすぐに手に入れられるような環境が整備されており、ありきたりの商品やサービスでは関心を示さず、同業他社の魅力的な商品やサービスがあればすぐに顧客が流出していまいます。そのような事態を回避するためにも市場調査を実施し、適したエリアに出店する必要があるのです。
様々な目的の市場調査
- ブランドイメージ調査
- 商品開発調査
- 価格調査
- 満足度調査
- 販促調査 など
4市場調査と同時にターゲット層の検討を!
サロンを開業しても、お客様に来てもらえなければ意味がありません。そうならない為にも、事前にターゲット層の検討をして、そこに合わせてサロンの立地やコンセプトも決定していきます。サロンの集客のためにも「ダーゲット設定」は大切な事で、「ターゲットを絞らず幅広く」というわけには行かず、きちんと設定されている事でサロンのコンセプトも決めやすくなるのです。
ターゲットを絞るメリット
その1:お客様の悩みや理想、願望が具体的に想像できる
その2:お客様に伝えるべき解決策を見つけられる
その3:サロンの強みがわかれば単価を高く設定できる
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ターゲットを絞るには、サロンにご来店いただく理想のお客様像を1人に絞り込んで「架空の人物像(ペルソナ)」を作る必要があります。ペルソナを設定することで、サロンの強みやお客様がサービスを受けて得られる本来の利益や問題解決を見つけられるようになるのです。
これらを見つけるためにペルソナ設定が必要不可欠となるため、集客するときや接客するとき、リピートしてほしいときはペルソナの人物像を元に考えていきましょう。
ターゲットの絞り込み
1.得意な顧客層を特定
これまでの「指名客層」や「性別・年齢別の売上」などの集計データより特定していく
2.環境や社会情勢を考慮
社会情勢や環境、人口ボリューム、世の中のニーズ、消費動向などから特定していく
ペルソナのプロフィール設定
イメージするターゲットの人物像をさらに細かく設定していきます。
・性別・年齢・婚姻(子供有無)・職業・職場エリア・収入・美容にかける費用・美意識の高さ・ニーズや悩み・理想(美やライフスタイル)・ライフスタイル(行動特性)
5ターゲットへのアプローチ方法を考える
ペルソナの設定が終われば、ターゲットへのアプローチがしやすくなりメニューの開発から料金設定、カウンセリングの仕方など答えがおのずと見えてきます。
例えば、ターゲットを主婦にした場合、子育ての合間にリラックスを求めて来店されます。完全個室の予約制にすれば、近所のママ友にも会わずに自分だけのリラックス空間が出来ます。また、昼間にニーズがあるため朝から営業しているサロンにするなど、出店する環境に合わせて決めることができます。
また、ターゲットをOLにした場合、遅い時間まで営業しているサロンにすれば仕事帰りに寄る事ができてニーズも増えていきます。忙しいOLにとっては、休みの日にわざわざメイクをして外出するのを避けたいところ。なので、仕事帰りにふらりと立ち寄れるのがベストなのですね。
ターゲットを明確にして決める事
- 出店立地はどこが良いか?
- 内装のイメージは?
- 売りにするメニューは何にするか?
- 価格はどのくらいが妥当か?
- 広告はどの媒体を使うか?
ターゲットの客層が明確になったら、サロンの方向性が決まり開業へと準備が進んでいきます。イメージしているターゲットが実際にサロンに来てくれるような施策を徹底しておくことで、競合との間に差を付けられるのです。
6ターゲットを設定する事で宣伝も効果的にできる
サロンに足を運んでくれるお客様をイメージしてターゲットを設定しておく事で、集客のための広告媒体を適切に選べるようになり、大きなメリットとなるでしょう。
ターゲットにする人物像によって効果的な宣伝方法は変わってきます。十分な広告効果を得るには、ターゲットにする人物像に合わせて選ぶ必要があります。
広告の特徴
・新聞折り込みチラシ
新聞を取っている家庭にしか配布できない
若い世代は新聞を取っている人が少ない
高い年齢層の世帯は取っている可能性が高い
・SNS(インスタやブログなど)
若い世代が多く利用している
・ポスティング
出店していくエリアに絞って配布できる
・インターネット広告、アプリ
費用はかかるが世代関係なくネットを使う人にアピールできる
これまでは、ご家庭のポストにチラシやクーポン券をポスティングしていくという手法を取っているサロンも多くありましたが、世代問わずインターネットが普及している時代なので、インターネットでの広告やアプリを使ってみるのも良いでしょう。
そして、ターゲットとする年代や地域によって宣伝の方法も異なりますので、市場調査を重ねた後に決めていく事をおすすめします!