物件の賃貸借契約書とは?トラブルなく契約する為の注意点

物件の賃貸借契約書とは?トラブルなく契約する為の注意点

賃貸借契約とは、貸主と借主の間で結ぶ、物件を借りるための契約のこと。契約期間を定めて締結するのが特徴で、売買契約とは異なります。不動産の賃貸借契約書は、国土交通省が提供する「賃貸住宅標準契約書」を基に作られています。

1賃貸借契約書とは?

サロン開業のための物件が決まったら、その物件を管理している不動産屋で契約をおこないます。

賃貸借契約書とは

    サロン開業するにあたりオーナーが物件を借り、借主が貸主に賃料を支払うという契約書。保管期間は明確には規定されていないものの、不動産の仲介会社や管理会社は決算日から「5年間」は事務所に保管しておく義務がある。また、株式会社の場合、事業に関する重要情報は「10年間」の保管義務がある。

2賃貸借契約書を書く際のチェックポイント

賃貸借契約書を書く際に気を付けるべき所を、国土交通省が提供する「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」に沿って説明していきます。実際に書く時には、それぞれのチェックポイント見ながら書き進めてください。

1物件の情報に間違いがないか確認

まず、物件名称や所在地、建物の構造(木造、RCなど)、間取り、部屋番号などに間違いがないか契約書を確認します。

 
賃貸住宅標準契約書(改訂版)の一部分抜粋
 

2附属品と残置物違いとチェック

附属品とは、借りる部屋に備え付けられている設備のことで、故意に壊した場合を除き、貸主が修理費を負担します。契約書の設備欄で「有」にチェックがついている設備が附属品となります。

 

残置物とは、前の入居者がそのまま残して行ったもの。この残置物の使用は任意ですが、故障しても補償はありませんので注意が必要です。不要の場合は、貸主に相談して入居する前に撤去してもらうことも可能です。

 
賃貸住宅標準契約書(改訂版)の一部分抜粋
 

3契約期間と諸費用を把握する

ここでは契約期間、家賃、敷金、礼金、支払い方法などを把握しておきます。

 
賃貸住宅標準契約書(改訂版)の一部分抜粋
 

4必要な連絡先は必ず控えておく

入居してから何らかのトラブルが発生した場合に、スムーズに連絡をできるように貸主と管理会社の連絡先は控えておきましょう。また、トラブルが起きた際の連絡先と契約に関する相談の連絡先は異なる場合があるので、「こんな時はどこに連絡したら良いですか?」とあらかじめ確認しておくとよいです。

 
賃貸住宅標準契約書(改訂版)の一部分抜粋
国土交通省(「出典の記載について」参照)
 

建物賃貸借契約書に記載すべき項目

  • 物件情報
  • 設備
  • 残置物
  • 契約期間
  • 家賃/敷金/礼金
  • 貸主情報
  • 管理者情報
  • 解約
  • 違約金

3賃貸借契約書を書く際に必要な物

賃貸借契約書を書く際に必要な物について説明します。不動産屋に契約にいく際に、足りないものがないか事前に確認しておきましょう。

印鑑について

賃貸借契約書は実印でなくとも契約は成立しますが、特有賃貸物件など国の補助がもらえる物件では、「実印」が必要なケースがあります。

連帯保証人として契約に行く際は、「実印」が必要となります。

 

※割印には2部が「対である」という事を証明し、改ざんされないようにする目的があるものの、割印がなくても契約書の効力には関係がないとされています。

印鑑証明について

契約する物件が、特有賃貸物件など国の補助がもらえる物件の場合「印鑑証明」が必要なケースがあります。

連帯保証人として契約に行く際は、「印鑑証明」が必要となります。

印紙について

建物や施設の賃貸借には「印紙税」はかかりません。

ただし、土地や地上権の賃貸借には印紙税がかかりますので、課税文書に該当するかの判断は契約書に書かれている内容で決まります。

4賃貸借契約書の借主の住所欄はどこの住所を書く?

賃貸借契約書には物件を借りる借主が、住所や氏名を書いてから必要な項目を記入していきます。ここで、ややこしく感じるのが「住所欄」の記入です。契約書を書いている時点での住所を書くべきか、新たに契約する物件の住所を書くべきか迷ってしまいます。

 

「現住所」を記入!

これから契約する物件に引っ越しをする予定でも、その時点では新しい物件を取得しているわけではありません。そのため、住民票も移動していないので、記入する住所は「現住所」で良いのです。

 

また、賃貸借契約を締結する際には、借主の身元確認をします。その際には、身分証明証(運転免許証や健康保険証など)のコピーや住民票の提出をしなければなりません。その身分証明書を使って、賃貸借契約書と照らし合わせて身元を確認するため、契約書にも現住所を書く必要があるのです。

5物件を借りる時に必要な連帯保証人について

物件を借りる際、必ず必要になるのが保証人。賃貸借契約は貸す側にとってリスクが伴う事もあり、借主が病気や事故などで家賃が払えなくなる事態もあるでしょう。そのような不測の事態が発生しても、毎月の債務を連帯保証人が支払うという約束をする事で物件を貸してもらえるようになります。

こんな人を選ぶとよい!

安定した収入がある三親等以内の親族

近くに住んでいて、すぐに会うことができる人 など

責任の重さが違う?

■ 保証人

借主が家賃を支払えなくなったと家賃請求を受けたとしても、「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」が与えられます。借主に返済能力があれば、保証人は家賃を代わりに支払う必要はないということです。借主に返済能力がないか調べてもらい、もし借主に財産が見つかれば、そちらを差し押さえてもらう事ができます。

 

■ 連帯保証人

借主が家賃を支払えなくなったと家賃請求を受けた時に、いかなる主張も認められません。仮に借主に返済能力が残っていたとしても貸主に家賃を支払わなければなりません。そのため、保証人より連帯保証人の方が責任が重いことがわかります。

6物件を借りる上での注意事項

立地と物件が決まったら、賃貸借契約書を用いて契約をしていきます。サロンを開業するための物件が見つかりそうな頃には、資金調達を済ませスムーズに契約できるようにしておきます。賃貸借契約書に関する注意事項を確認しておき、問題なく物件を借りられるようにしましょう。

 

契約期間

契約期間は2年や3年など様々。更新時期には更新料も発生します。

手付金

契約締結の際、その履行の保証として賃貸人に交付する金銭。手付金を放棄するか、貸主が受領済みの手付金の倍額を返還して契約を解除できる解約手付金が一般的です。

保証金

借主が家賃を支払わなかった時に、家賃に充当したり部屋を傷つけてしまった時に修理費に充当したりするための金銭。

契約終了時にどのくらい戻って来るか確認しておきましょう。7~8割の返金が多く、地域習慣によっては保証金の一部を「償却」という名目で受領するところがある。

更新手続き、条件、解約事前予告

契約を更新したい時、いつ更新の意志を伝えるべきか。更新にかかる費用はどのくらいか。契約を解除する際にいつ頃、予告するべきか確認しておきましょう。解約の3か月~6か月前に予告するのが一般的です。

トラブルが発生した時の解決方法

借主の落ち度で物件に損害を与えてしまった場合や、地震などで被害を受け、営業が難しくなった場合など、火災保険の内容について確認しておきましょう。

その他、雨漏りや排気ダクトなどの諸問題で物件に対策が必要な場合はどうするべきか事前に確認しておきます。

定期借家契約

借りたい物件が定期借家契約の場合、契約期間は満了したら更新できないので注意が必要です。

ただし、期間満了の1年前から6か月前までの間に貸主から「再契約をしない」旨の通知がない場合は、「再契約」ということで契約を続けることができます。

7物件の契約更新方法は3種類

賃貸借契約の期間は、2年間に設定されている事が多く、その後は契約を更新する事で継続して借りる事ができます。賃貸借契約の更新方法は3種類あり、物件によって異なります。物件を借りる時に、将来の事も見据えて更新方法も確認しておくと良いでしょう。

 

合意更新

貸主と借主が互いに更新案に同意し、契約書を再度作成する方法

自動更新

契約が終了した時に、同一条件、同一期間の賃貸借契約を自動的に更新する方法

法定更新

借地借家法第26条により、期間満了前の6か月から1年以内の間に貸主が「再契約をしない」旨の通知通知をしなかった場合や、契約期間満了までに合意更新が成立しなかった場合に、更新成立する方法