美容所登録に必要なものと登録までの流れ

美容所登録に必要なものと登録までの流れ

美容室や理容室、マツエクサロンを開業する場合、出店地域を管轄している保健所へ美容所開設届書・構造設備概要書を申請しなければなりません。衛生上の適切な管理運営がされていることが大前提となる美容業。書類を提出するだけでなく実際にサロンのチェックを行われる事になるので、きちんと営業を開始出来るように備えておきましょう。

1美容所登録とは?

美容所登録とは?

    美容所登録とは、出店地域を管轄している保健所に「美容所開設届書・構造設備概要書」を提出し、構造設備や衛生管理の基準に適合しているという証明をする事です。

 

美容室や理容室においてパーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法で、「容姿を美しくすること」は法律上、資格を持っていなければ施術する事ができません。また、「美容所登録」を済ませていなければ資格を持っていても営業をすることができないため、必ず必要な手続きとなります。

 

その他、2010年9月に厚生労働省より「ネイルサロンにおける衛生管理に関する指針」が発表されました。そのため、ネイルサロンを開業する場合、どこの行政機関からも監督されない分、自分自身で衛生面には気を配る必要があります。

2美容所登録が必要な職種

資格を取得して施術にあたらなければならない美容室などでは美容所登録が必要になります。美容業界でサロン開業する人は、この「美容所登録」が必要かどうかを事前に把握しておきましょう。

届出が必要な業種
美容室、理容室、マツエクサロン

届出が不要な業種
ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーションサロン

登録届出先
出店地域を管轄している保健所

届出にかかる費用
20,000円前後(地域により異なる)

届出期間
オープンの1週間から10日前まで

3美容所登録の流れ

STEP1

保健所への事前相談(内装工事開始前)

美容所登録を行うために、出店地域を管轄している保健所へ行き事前に相談を行います。登録を済ませるには、作業室面積に対する設置可能なセット椅子の数や照明の明るさなど、多くの審査基準が設けられています。

 

届出と美容所の審査を行う事になりますが、万が一保健所から改善要請があった場合は工事しなければなりません。工事開始前であれば追加費用を払わなくて済む可能性がありますので、工事開始前に計画図面を用意して保健所に相談へ行くようにしましょう。

STEP2

開設の届出(オープンの1週間から10日前まで)

必要書類を準備して保健所へ提出します。この時に開設検査手数料を納めることになりますので、各地域で異なりますが手数料(20,000円前後)を準備しておきましょう。また、開設検査(立入検査)の日程も決めることになりますので、都合の良い日を確認しておくとスムーズに手続きを行えますよ。

STEP3

開設検査(立入検査)

「開設届」提出後おおよそ1週間~2週間で実施されます。保健所の職員が実際にサロンに来て、提出書類をもとに構造や設備について立入検査が実施されます。

STEP4

確認書受領(開設検査の翌日~オープンまで)

開設検査で基準を満たし合格すると確認書が発行されます。保健所から連絡が入りましたら「受領印」を持って確認書を受け取りに行きましょう。

STEP5

営業開始

内装工事も完了し開設届や立入検査もすべて完了したら、いざ、サロンオープン!ここから、どのようにサロンを運営していくかが重要になってきます。1人でサロンを経営するのか、もしくはスタッフを雇って力を合わせていくのかも楽しみのひとつですね。

 

4美容所登録に必要な書類

美容所登録に必要な書類は、出店する地域を管轄する保健所によって異なる事があります。(書式等もさまざまです。)必要な書類は事前相談の際に窓口にて入手するか、保健所のホームページより入手してください。各書類の概要を説明します。

 

美容所登録に必要な書類

  • 開設届
  • 施設の構造設備の概要
  • 施設周辺の平面図
  • 施設の平面図
  • 従業員名簿
  • 従業者全員分の理美容師免許証、管理理美容師の修了証
  • 医師の診断書
  • 法人は登記簿謄本、外国人は外国人登録証明書
  • 管理理美容師の資格について
開設届
管轄する保健所で入手し、開設者の住所・氏名、施設の名称、施設の所在地、開設予定日などを記入します。

施設の構造設備の概要
管轄する保健所で入手し、建物の規模、セット面やシャンプー台の数などを記入します。また、使用する消毒薬の種類やサロンの床の材質なども記入します。

施設周辺の平面図
開設するサロンがビルの中にある場合はそのフロアにおける配置図を用意します。また、施設の場所がわかる地図をインターネットで用意します。

施設の平面図
依頼する内装工事業者より入手できます。工事開始前に提出する書類なので、保健所の職員や内装工事業者と設備設置箇所を相談しながら平面図を作成します。

従業員名簿
管轄する保健所で入手し、美容師免許を持っている従業員の氏名や免許取得日、番号を記入します。また、管理美容師免許を持っていれば同様に免許取得日と番号は必要です。

従業者全員分の理・美容師免許証、管理理美容師の修了証
スタッフ全員分の理・美容師免許証の本証が必要です。また、従業員が複数名(常時2名以上)いる場合は、管理理・美容師が1名以上いなければなりません。

医師の診断書
美容師免許を持っている従業員全員分の医師による診断書を用意します。「結核・伝染性皮膚疾患の有無」がわかるもので、3 ケ月以内に診断されたものに限ります。上記の2点でない事がきちんと診断されているものが注意してください。また、「医師 氏名」が記載されているか確認しましょう。(「院長 氏名」という文字では不可)

法人は登記簿謄本、外国人は外国人登録証明書
開設者が法人の場合は、法人の登記事項証明書の原本を提出します。(6ケ月以内に発行されたものに限る)また、開設者が外国人の場合、有効期限内の外国人登録証明書の本証提示が必要となります。

管理理・美容師の資格について
常時2名以上の理・美容師が働く理・美容院には、管理理・美容師が1名以上いなければなりません。開設時は1人であっても、これから従業員を雇用していくのであれば、確実に管理理・美容師の資格が必要となります。

美容所登録「開設検査」を受ける

美容所登録に必要な書類を提出したら、「開設検査」を受ける事になります。開設検査に合格する事ができれば確認書に受領印をもらって営業スタート!となるのです。

 

開設検査
「開設届」提出後、管轄する保健所で日程調整を行いおおよそ1週間~2週間で実施されます。必要書類を提出する際に、都合の良い日をあらかじめ確認しておくようにしましょう。

検査手数料
管轄の保健所によって手数料は変わりますが、20,000円前後が多いです。開設届を提出する際に、検査手数料を納付することになります。

確認書受領
保健所から合格連絡があれば、受領印を持って保健所に行きます。そこで確認書類を手に入れる事ができ、営業開始が可能となります。

5開業届の記入方法

開業準備が整ったら、税務署に行き「開業届」の提出を行います。開業届の正式名称は、「個人事業の開業・廃業等届出書」と言います。

 

サロンオープン日から1ケ月以内に納税地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。記入漏れが無いよう、順を追って見ていきましょう。

 
個人事業の開業・廃業等届出書の全体図

記入方法

個人事業の開業・廃業等届出書の一部分抜粋

「開業」を選んで○で囲みます

管轄税務署の地域名と提出日を記入します

記入する住所がどこの住所なのかを選んで○で囲み、郵便番号、住所、電話番号を記入します

氏名、フリガナ、生年月日を記入し捺印します

12桁の個人番号(マイナンバー)を記入します

開業する職業と屋号を記入します

 
個人事業の開業・廃業等届出書の一部分抜粋

届出の区分「開業」を選んで○で囲みます

所得の種類「事業」を選んで○で囲みます

開業日を記入します

青色申告の有無をチェックします (「青色申告書承認申請書」と同時に出すことで、65万円控除を受ける事ができるようになります)

事業の概要を記入します

 
個人事業の開業・廃業等届出書の一部分抜粋

1人で開業する場合は、記入はしません(人を雇用している場合は、記入が必要です。⑫の項目は、管轄する税務署か税理士に相談して記入する事をおすすめします。)

確定申告などを行う税理士が決まっている場合、その税理士の名前や連絡先を記入します(いなければ空白で問題ありません)

記入なしで問題ありません

6「開設検査(立ち合い)」のチェックポイント

チェックポイント

  • 床面積
  • 美容の業務を行う作業室の床面積が、13㎡以上

     

  • 床の材質・腰板
  • 床は、コンクリート・タイル・リノリュームもしくは不浸透性材料を使用してつくられていること。

     

  • 天井までの高さ
  • 床から天井までが2メートル以上

     

  • いすの台数
  • 作業室の面積が13㎡の場合、椅子は6台まで。6台を超える場合は13㎡に椅子1台を追加するごとに3㎡を加えた面積以上にする。

     

  • お客様の待合場所
  • 作業前のお客様は、作業所と明確に線引きされて分かれた場所で待機できること。作業室には作業前のお客様が頻繁に通らないこと。

     

  • 洗い場
  • 必ず流水装置であること

     

  • 採光、照明、換気
  • 採光や照明、換気が十分なこと。サロン内の炭酸ガスの濃度を常に0.5%以下に保つこと。美容のために直接の作業を行う場合の作業場所の照明は、100ルクス以上に保つこと。

     

  • 格納設備
  • 消毒済みの物を入れる容器・未消毒の物を入れる容器が備えてあること。

     

  • 汚物箱
  • ふたの付いた汚物箱が備えてあること。

     

  • 毛髪箱
  • ふたの付いた毛髪箱が備えてあること。

     

  • 消毒の設備
  • 消毒の設備が設けてあること。

7美容所に欠かせない「消毒」の方法

美容所として登録されるためには、器具の消毒方法もしっかりと統一することが求められます。以下のような消毒方法で消毒を行うようにしましょう。

カミソリ・血液が付着しているまたは付着の恐れがある器具

  • 沸騰したお湯で、2分間以上煮沸を行う
  • 76.9~81.4%の濃度のエタノール水溶液の中に、10分間以上浸す
  • 0.1%以上の濃度の次亜塩素酸ナトリウム液の中に、10分間以上浸す

血液の付着していない器具

  • 80度を超える蒸気に、10分間以上触れさせる
  • 紫外線消毒器内の紫外線灯から、85μw/cm2 以上の紫外線を連続して20分間以上照射し続けた綿やガーゼで表面を拭き取る
  • 0.01~0.1%の濃度の次亜塩素酸ナトリウム液の中に、10分間以上浸す
  • 0.1~0.2%の濃度の逆性石ケン液の中に、10分間以上浸す
  • 0.05%の濃度のグルコン酸クロロヘキシジン液の中に、10分間以上浸す
  • 0.1~0.2%の濃度の両面界面活性剤液の中に、10分間以上浸す